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アンティーク時計修理 中島正晴さん(39) 武蔵野市
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| ダイビング関連の仕事で、ロスアンゼルス(USA)に4年と長期滞在した。仕事に一段落ついたのだが、そのまま滞在を延長。バイトのつもりでアンティーク時計の扱っている日本人に頼まれ、時計を運び始める。最初はそんなに興味は無かったのだが、段々アンティーク時計に魅せられていく。 日本へ帰ってきてからダイビングショップの後、始めたのが通常のアンティークショップ。そして時計の専門書に詳しく修理や製造のついて書いている本に出会う。「この本の通りやれば誰でも出来る」と中島さん。本を「師匠」に独学で、自分の時計修理などを技術を磨く、次第に自分の店で扱うアンティーク時計の修理を始める。時計の専門学校で学んだのでもなければ、師匠について学んだのでもない。ただアメリカの古時計の会に入り、商品のやり取りだけでなく、無料開催の時計技術のセミナーにも出席するようになる。 職人は道具を選ぶ。中島さんは「出来る限りの道具を揃える。」 旋盤は修理に不可欠、ここでは中島さんと3人の技術者ごとに設置してあるし、特殊な歯切り用の特殊旋盤やネジ切り用旋盤も備えてある。このような設備なしに修理すると正確な復元が出来ない、と中島さんは道具に拘る。中島さんが今手がけている時計は、「たぶん修理代の方が高いでしょう」と言う。持ち込んだ人にとってはお金には換えられない宝物。無くなった部品を作るのだが、常に原型があるとは限らない。時計を動かす理論が理解できないと、部品は再現できない。ここに持ち込まれる時計は、通常の時計屋さんで、「部品が無いために修理を断られた」ものが多いのだから。 最近修理をやっと終わった時計がある。今調整段階で動かしているが、正確に時を刻んでいる。依頼主は筑波大の教授。ヨーロッパで手に入れたらしい。3年前に「いいですよ」と簡単に預かったのだが、実に繊細な部品の加工を必要としていた。教授も機械畑が専門で、大学に備えられた最新式のレーザーで「作れませんか」と尋ねると、先生は「作れない」とのこと。それこそ職人の技術を極める作業だった。時計が動いているときは、この部分も常に動いている部品で、時計の精度を左右する実に重要な部品でもある。この時計の原理は正確で、昔英国で数億円(今のお金で)の賞金がかかった時計で、ポーツマスからジャマイカ往復の8カ月間の航海で14秒の狂いだったと言う、大天才ジョン・ハリソンが作った作品クロノメーター。こん回修理したのは、その流れの理論を使っている時計。今のところ秒単位で合っている時を刻んでいる。時計の命が蘇る瞬間に味わう歓びをバネに、中島さんは限りな探検する。
(取材・構成・写真/週刊きちじょうじ)
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